どうも流浪のブログ、fukublogです。
こういうブログは前の日に書き上げた方がいいとは頭の中ではわかっているのに、大体当日に書いてしまうの直したいですね。

5月5日といえば、端午の節句、そして菖蒲湯ですよね?
みんなやりました?

大体男の子のいる家でやるイメージだよね。

てことで買ってきました。スーパーで約140円で売ってたので…⌬

まーた無駄遣いして…買ってきたなら入るけど笑

芳香ちゃんはツンデレだなぁ⌬
てことで用意するよー!

これを…♠︎

こうしてこうじゃ…⌬

(一瞬語尾がハ○ター×ハン○ーの人に…)

結構スパイシーな香りがするのですね。
今回は菖蒲の香りについてちょっとみてみましょう⌬!
そういや菖蒲(ショウブ)ってどんなものだっけ?
漢字のせいで混同されますが、菖蒲(ショウブ)と菖蒲(アヤメ)は実は全く違う種類の植物です。

漢字一緒なんだよね。

ね。菖蒲湯に使われる草は実はすごい地味な花なんですよ。

J.F. Gaffard, Autoreille, France – photo J.F. Gaffard, Autoreille, France, mai 2004,, CC 表示-継承 3.0による

確かにめちゃ地味だね。
私はキレイな花の方を想像してたわ。

こちらはアヤメなので菖蒲湯には使われないよ。
菖蒲湯に使う菖蒲はサトイモ科で、アヤメや花菖蒲と言われるものは、アヤメ科なので全くの別物です。葉っぱの形が似ているだけなんだよ。

初めて知ったわー。
菖蒲湯の効能
菖蒲湯は日本では伝統的な年中行事の一つとされ、菖蒲(ショウブ)をお湯につけて入浴し、邪気や病邪を払うとされております。
実際に庶民文化として広まったのは、意外にも江戸時代の頃で、5月5日の夜あるいは5月6日の朝に、各家では菖蒲湯に入る風習がありました。
アロマテラピー的な効果もさることながら、菖蒲は実は生薬として使われます。
実際に42℃から43℃程度のお湯につけておくと、少しスパイシーで爽やかなテルペン様の青い香りが広がって香りの心地よさを感じます。

漢方的な効能は富山大学和漢医薬学総合研究所様のページに記載されております⌬

いろいろな効能があるのね、ただ不穏な記載もあるね。
肝障害や悪性腫瘍を生じる?悪心,嘔吐を催すって?こわっ

直接服用するとあくまで医薬品になるので副作用もありますが、入浴にあたってはそこまで気にしなくて大丈夫でしょう⌬
菖蒲湯自体の効果は民間療法的な域でのお話になるので科学的根拠に基づかないのですが、一般的には血行促進・肩こり・腰痛予防・冷え性・筋肉痛・リウマチなどに効果があると言われております。
(菖蒲湯の対する効果の論文は流石に見つかりませんでした笑)

あくまで、縁起ものとして楽しむことやアロマテラピー的な観点で香りを楽しむことでリラックス効果を得るという効果ですかね?菖蒲湯で漢方の生薬としての効果を狙うにはちょっと……って感じですね…⌬ なんかすみません笑
菖蒲(ショウブ)の香り成分について
菖蒲の葉について、インドのクマウン大による論文(ESSENTIAL OIL COMPOSITION OF ACORUS CALAMUS FROM DISTRICT-PITHORAGARH, UTTARAKHAD, INDIA)では、インド産菖蒲の葉を水蒸気蒸留して得られた抽出物をGCとGC/MSを用いて分析しています。

菖蒲の精油はアロマテラピーや香料の世界ではカラマスオイルとして知られていますが、毒性や発癌性などがあるとしてそこまで多く使われることはありませんが、シプレタイプの香調のアクセントとして少量使われることがあります。
また菖蒲(Acorus calamus)の精油成分に対しての論文は多数あるのですが、産地によって香気は随分変わるそうなのですが、
日本産のものは見つかりませんでした。
他の文献でも検出されているものを含めちょっと気になった成分についてピックアップして解説していきます⌬
フェニルプロパノイド
フェニルアラニンを起源とする、1-フェニルプロパン (C6C3) が複数縮合した形の化合物およびその化合物の誘導体の総称で、シキミ酸経路から生合成されます。C6-C3化合物と言われますが、菖蒲に含まれるその一例について紹介します。
アサロン(asarone)
様々な論文で、菖蒲の香気として一番含有量が多いものとして記述されており、
トランス型のα-アサロンとシス型のβ-アサロンがあります。
含有量が一番大きいことから、香気に対しての寄与はあるはずなのですが、私自身単品香料としてのにおいを嗅いだことはありません。
それもそのはず、このアサロンには毒性と発癌性があります。
経口投与では、β-アサロンは40 mg / kg /日以上の用量でラットに発がん性があるそうです。
また催嘔吐性(長い場合は15時間も!)があるため、取り扱いには十分注意が必要です。
しかし、菖蒲湯として天然の葉を使う分には、そんな濃度になることなどありませんので安心していただきたいです。
また、β-アサロンはアルツハイマー型認知症等の認識機能障害の治療薬の候補物質として期待されているそうです。
しかしその毒性から、カラマスオイル(菖蒲の根茎の水蒸気蒸留物)を精油をフレグランス製品に用いる場合は、α、β型含めて0.01%以下にしなければなりません。(IFRA standard)
出典:https://www.sciencedirect.com/topics/neuroscience/beta-asarone
メチルイソオイゲノール(methyl isoeugenol)
カーネーション様で少しスパイシーなニュアンスがある香気を持つにおい物質で、香料としてはオリエンタルタイプの香料に使われます。
セスキテルペン
3つのイソプレンから構成され、C15H24の分子式を持つテルペンのセスキテルペンですが、菖蒲の香りを構成している分子が数多くあります。
ドライなウッディ香を持つカジネン(cadinene)や、ビールに加えられるポップの熟成工程でその量が増えていき、心地よいホップ香を呈するフムレンエポキシドⅡ(humulene epoxide Ⅱ)、セダーウッドに含まれるセドロール(cedrol)など、モノテルペン類に比べウッディノートやスパイシーノートを放つ香りが多いです。
菖蒲にはそのほかにも、アコロン(acorone)やショウブオン(shyobuone)、カラメンジオール(calamendiol)などの学名や日本名由来の名前がついた化合物が見つかっていますが合成や香気研究が進んでいないのかどんな香気か全くわかりません。
研究が進み、有用性がわかったら今後使われるかもしれませんね?

菖蒲(ショウブ)には最初に提示した表の様に、多数のモノテルペンなども多く含まれるため、爽やかなあの香りはモノテルペン由来の香りだとおもまれます。
そしてスパイシーな香りや少しウッディ感のある香りはセスキテルペンやフェニルプロパノイドの寄与があるものと思われます。
いずれにせよ、これは葉を水蒸気蒸留した際の香りなので、今後、生の葉から香気を直接分析する手法などにより香気成分のさらなる研究が進めばいいかなと思います。

菖蒲湯は大丈夫そうだけど、もし精油を扱う場合があったら注意も必要だね。

カラマスオイルとしてamazonで販売しているものを見つけましたが、以上のことから素人判断で使用することは危険なので、注意した方が良いでしょう。
(あえてリンクは載せません。)
また、漢方は妊婦さんは禁忌とされていますので精油自体もできれば扱わない様に気をつけてくださいね! ではまた!
出典:富山大学和漢医薬学総合研究所
:Deepak Chandra et al.,World Journal of Pharmaceutical Research SJIF 1158-1166. 22 June 2015,
:https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/28732807
:香料と調香の基礎知識 中島基貴編
:合成料 化学と商品知識 合成香料編集委員会編集
:IFRA standard