第一回 臭気判定士試験対策講座 嗅覚概論① 嗅覚検査について

臭気判定士編嗅覚概論①臭気判定士
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嗅覚検査について

臭気判定士国家試験の筆記試験に合格しても、さらにもう一つ関門を突破しないと免状交付されません。

その内容は、臭気判定士の名にふさわしく、なんと嗅覚検査です。

いったいどんな試験が行われるのでしょうか?

全貌を見ていきたいと思います⌬

・嗅覚検査について詳しく!
・どんな匂いを嗅ぎ当てないとならないの?
・難易度は?
・5つの基準臭の閾値と嗅覚検査に使われる濃度を覚えよう!
・それぞれの基準臭のにおいの質を頭に入れよう!
・それぞれの基準臭が天然にはどんなものに含まれているかを知ろう!

嗅覚検査の概要

約95%の人が「正常な嗅覚」をもっているといわれますが、臭気判定士も試料の採取時や嗅覚測定法による測定に際して、試料初期希釈倍数を決定する時など、臭気判定士は、自らの嗅覚による判断が要求されます。すべてパネルの結果をまとめればよいというわけではありません。

ですので、特に鋭敏な感覚を要求されているわけではありませんが「正常な嗅覚」を有していなければならないのです。

その「正常な嗅覚」を有しているのを確認するために行われるのが嗅覚検査です。

つまり、臭気判定士の嗅覚検査は、一般的な嗅覚を有していれば合格できるということですね⌬

5つの基準臭(超大事!!)

一体どんな匂いを嗅がなければならないの?ということで紹介します。

実はこの内容も、筆記試験に出てくる内容ですので、試験を受ける方はご一読していただけると勉強になると思います。

・A: β-フェニルエチルアルコール

・B: メチルシクロペンテノロン

・C: イソ吉草酸

・D: γ-ウンデカラクトン

・E: スカトール

A:β-フェニルエチルアルコール

一言でいうと花の香りがします。

安っぽいバラの香りと表現する方もいます。天然中には様々な花(バラやカーネーション、ヒヤシンス、イランイラン等、挙げるとキリが無いほど存在しております。)

合成されたものは食品香料や香粧品香料、タバコのフレーバーなどにも使われます。

また、香料業界ではROSE P(ローズピー)とも呼ばれます。

検知閾値は希釈倍率で言うと10-5.2の濃度です。

嗅覚検査では10-4.0の希釈倍率のものを使用します。

*検知閾値とは??

何のニオイかわからなくても何かニオイを感知できる最小濃度のことです。この値が小さければ小さいほど人の鼻で感じ取りやすいと考えることができます。

物質ごとにこの濃度は異なり、2,4,6-トリクロロアニソールという物質は嗅覚閾値が10 ng/L(ppt)であり、この濃度は25mプールに1滴未満ほどの薄さ(希釈倍率で言うと10-11)でも10人中9人がかび臭いような匂いを感じ取ることができる程度の値だそうです。

出典『食品の匂いと異臭』 p12-13

*認知閾値とは??
どんな匂いか識別できる濃度のこと、なんか表現できないけど変なにおいがする!っていうのは検知閾値とよばれ、しっかり下水のにおいがする!と表現できるものは認知閾値と呼びます。筆記試験でもこの違いは出題されますので頭の片隅に入れておきましょう!⌬

B:メチルシクロペンテノロン

甘くて焦げたような匂い、食べ物でいうならカルメ焼きやキャラメルのようなにおいがします。

こちらも、β-フェニルエチルアルコールと同じように食品香料や香粧品香料、タバコのフレーバーなどとして広く使われます。天然にはコーヒーや麦茶、鰹節など焙煎したものの香り成分として存在しています。私はメープルシロップのような比較的良い香りだと思いますが、中には卵が腐った匂いだとか、カレーの匂いだとかいう人もいるそうです。匂いって不思議ですね。

香料業界ではシクロテンとよく呼ばれる物質です。

検知閾値は希釈倍率で10-5.6程度で、パネル選定用の嗅覚検査には10-4.5の物を使用します⌬

C:イソ吉草酸

まさに洗っていない靴下、もしくは生乾きの匂いです。低級脂肪酸の一種となります。

正直本当に臭いです。この臭いは、湿っていることで雑菌が繁殖し、雑菌が代謝物としてこのにおいを発生させているということが分かっております。こんなに臭いにおいでも、チーズなどの食品香料や、香粧品香料のアクセントとしてごく少量用いられることもあります。また、摘みたてのミントの蒸れた様な臭いもこの成分が原因です。しかし、ある程度時間が経つと落ち着きます。

検知閾値は10-6.0です。また、パネル選定用の嗅覚検査には10-5.0の物を使用します⌬

低級脂肪酸には、このイソ吉草酸のほかにも、酪酸やカプロン酸など、動物臭や発酵臭の様な非常に強く不快な臭いを発しますが、アルコールと化学反応させ、エステル結合を行うとエステルと呼ばれる果物のような匂いを発する物質に代わります⌬

D:γ-ウンデカラクトン

桃のような甘い香りです。菓子や飲料などの食品香料、香粧品香料として利用されます。天然には様々な野菜、果物、ミルクに存在します。

秋ごろに街中などでキンモクセイの快い香りがしますが、実はキンモクセイの匂いの主成分はこの物質です。

 ロート製薬の研究によると、この種のラクトンと呼ばれる物質は、若い女性特有の甘い体臭を構成し、γ-ウンデカラクトンは30代で大幅に減少することが発見されたそうです。(女の子から甘い匂いがしなくなったらおばさんになってしまうんですかね、残酷な結果です。。⌬)

出典:望月佑次(ロート製薬)「加齢に伴う女性の体臭変化に関する研究」『FRAGRANCE JOURNAL』46(3):pp.66-66,2018

このことを利用したボディーソープも発売されています。おっさんが女子高生の香りになるって話題になった商品にはちゃんと理由があるのですね⌬

検知閾値は10-5.1であり、パネル選定用の嗅覚検査には10-4.5の物を使用します⌬

E:スカトール

名前だけで嫌な予感がしますね。そうです。う〇この臭いです。以上。

と言いたいところですが、こちらも天然にはう〇このほかにも、ジャスミン(!?)やネロリなどの香気成分の一つとなっております。シベットと呼ばれるジャコウネコの香腺から採取した動物性香料にも含まれており濃度が高いと非常に不快な臭いを発しますが、低濃度では花のようなパウダリーな芳香を発します。こちらも匂いって不思議!?ってなる香りですね。

検知閾値は10-6.1あり、パネル選定用の嗅覚検査には10-5.0の物を使用します⌬

表にまとめてみます。 

検査の方法

5-2法を使用します。簡単に言うと、5つの試験紙から匂いがついてると思うものを2つ選ぶ方法です。

  1. 1~5までの番号を記入した試験紙を5枚を1組として、任意の2枚の試験紙を先端約1cmまで基準臭液(1種類)に浸し、残りの3枚を同様に無臭の流動パラフィン(対照液)に浸します。
  2. 5枚1組のニオイ紙を被験者(18歳以上の者に限る)に渡し、その中から嗅覚を用いて基準臭液により、においを付けた2枚のニオイ紙を選ばせます。
  3. 5種類の基準臭について1及び2の手順を行い、そのすべてについて正しく回答をしたものを正常な嗅覚を有するものと認めるものとします。

つまり、5種類の匂い検査、全問正解しないと合格しません。非常に厳しいようにも思えますね。すべて運頼みで行くと、(1/)×5=50回に一回は合格しますね(笑)。

しかし、およそ9割以上の人は合格するという統計のもと作られている試験ですので、リラックスして臨めば突破できると思います。不安な方は嗅覚検査を先に受験し合格しておけば、1年以内ならばその結果を筆記試験に合格した際に使用できます、嗅覚がダメで臭気判定士になれませんでしたって悲しいですものね。。。自分に合ったやり方でチャレンジしてみましょう!

次からは、試験科目の第一問の嗅覚概論の本題に入ります!

今回のブログの範囲も試験に出る内容なので広く浅く勉強していきましょう!

今回の話に出てきたボディーソープの香り、スティックタイプもあるそうですね

よかったら・・・↓↓↓


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